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ライセンス契約について

立林淳のオリジナルのボイスメソッド「VACメソッド」のライセンス契約を目的とした実演講座を、ジャズバー「スピークロウ」(横浜市中区住吉町6−74ピージャパン関内2F)で、定期開催しております。

歌と話し方が上達する講座ですので、同業者や指導者の方のみならず、一般の方のご参加も大歓迎です!


次回の第11回は2017年7月23日(日)14〜16時となります。下記PDFをご覧の上、メールでお申し込みください。

 

VACメソッド実演講座.pdf

 

 

 

VACメソッドについては、下記の原稿をご覧の上、ご興味のある方はメールでお問い合わせください。

 

<知的財産権について>
このHPに記載している声帯コントロールメソッド(以下「本メソッド」といいます。)は、VACメソッド協会・院長 立林淳のオリジナルのメソッドであり、その著作権その他の知的財産権は、立林淳に帰属します。
したがって、本メソッドを立林淳の承諾なく公に利用する行為(レッスンで教える行為、書籍を出版する行為、ホームページなどに掲載する行為を含みますが、これらに限りません)は、一切禁止ます。

◎ 本メソッドの知的財産関連情報
・商標登録出願中:「声帯コントロールメソッド」及び「声帯オートマチックコントロールメソッド」
・特許出願中:本メソッドの発明について
・著作権:「ビジネスパーソンのためのボイトレブック〜1日5分のレッスンで滑舌がよくなる!響く声になる!!」(株式会社秀和システムより2012年9月1日発行)

<ライセンス契約について>
本メソッドを公に利用することを希望する方は、ライセンス契約を承りますのでお問い合わせください。

  • Question

    立林先生のボイストレーニングの特長は?

    Answer

    著書でも強調していますが、私のボイストレーニングの特長はVAC(喉仏に指を置く)メソッドにあります。声楽のみならず、歌の上手い人や声優などに共通する響く声を出すには、腹式発声(腹圧をかけて発声する技術)の習得が必須です。その為には「声帯はより強く振動し、喉周りの筋肉は脱力している」相反することの両立した感覚を掴むことが鍵になりますが、私の声帯コントロールメソッドは、声帯付近を意識できコツが掴みやすいと実際のレッスンで日々実感しています。

 

  • Question

    VACメソッドの特長は?

    Answer

    端的に言うと声帯の自動制御という考え方です。喩えるとオートマチック車を運転するように、声帯を最適な状態に調整して発声できれば、それ以外の部位を特に意識しなくても(むしろしない方が)勝手に体が動き、よく響く声で上手く歌えるようになります。これは発声以外にも言えることですが、実技分野では多くの部位を意識することでより動作が不自然になり結果的に悪化することも多く、チェックポイントが少ないメソッドの方が実用性に勝ります。その意味でも声帯のみにフォーカスする声帯コントロールメソッドは、ボイストレーニングのジャンルを問わずにおすすめできるものと自負しています。



★声帯コントロールは滑舌良く響く声になるためのメソッド

巷では、口をよく動かして大きな声で話せ、などと言われていますが、皆さんが、滑舌が良く話せる様になり、響く声を出せる様になるためには、実は口を動かすのではなく、いかに自由に声帯を動かすことが出来るかに掛っているのです。
第1章では、次章からのレッスンの土台作りに、発声の仕組みと、「声帯コントロール」について学んで行くことにしましょう。

 

■話し方も歌も発声は声帯コントロールで決まる

実は、話し方でも歌唱でも、発声の良し悪しの大半は、声帯をいかに自分の意志通りに動かせるかで決まります!
例えば、「い」という発音をするには、一般には口を「い?」と横長に広げることを想像しがちですが、実際は口ではなく声帯が「い」の形になることで「い」を発音出来ているのです。他にも、高い声を出すには、声帯が高い声の形になることで高い声を出すことが出来、またあるタレントの声マネをするには、そのタレントの声帯の形に近づけることで、声を似せることが出来るといった具合なのです!

 

■呼吸法や口の動きは、あくまで副次的なもの

よく、ボイストレーニングというと、腹式呼吸や口の動かし方を連想する人がいますが、むしろこれらは副次的なものでしかありません。
まず、腹式呼吸ができるということの意味を簡単に言えば、肺活量が多いということです。
確かに正しい声帯コントロールができていれば、肺活量が多い方が、より声量のある声が出せるというメリットはあります。しかし逆に、発声が悪い状態で、肺活量だけが多くても、それを発声に活かすことはできませんから、あまり意味がありません。
腹式呼吸については、声帯コントロールを身に付けて、腹式発声が出来るようになれば自然に身に付くものと、とらえて置きましょう。
肺や横隔膜は呼吸に関係する器官であり、呼吸は発声の必要条件ではありますが、発声をするための器官ではありません。また、舌や唇は、メガホンの様に、発声を補助する役割はあるものの、直接的に声を作る器官ではなく、意識して動かそうとするとむしろ力みが生じやすく、発声に悪影響を与えることもあるのです。

 

■まずは声が出る仕組みについて考えてみよう

ところで皆さんは、声がどの様に出ているのかを考えてみたことはありますか?
まずは、発声の仕組みを考えてみることにしましょう。
それでは私から、皆さんに質問をしてみたいと思います。
「声はどの様にして作られているのでしょうか?」
あなたも答えを見る前に、自分なりの意見を考えてみて下さい。
(唇?舌?喉?腹筋?肺?横隔膜?全身?……)
……答え「声は、吐く息が声帯に当たり、振動することで作られます」
◯声帯が位置する咽喉部と、声帯の構造
私は、レッスンの受講者のほぼすべての方に、この質問をしています。
このことは、皆さんがこれから本書でボイストレーニングを学ぶに当たり、基礎的な土台となりますので、良く理解して頭に入れて置いて下さい。
声帯とは、喉仏の奥にある、声を出すための装置のようなものです。楽器にたとえると、たて笛のリードに当たる部分、という様なイメージになります。
声を出す時に口元やお腹を意識する人が多いですが、あくまでも発声を行う器官は、この声帯なのです。
声は、吐く息が声帯に当たり、振動することで作られる、あなたもこの発声の仕組みを、しっかり頭に入れて置いて下さいね!

 

■正しい発声法=楽で自然に声を出すこと

皆さんが、発声の仕組みを理解出来たところで、今度は正しい発声法とは何かを考えることにしましょう。それでは次の質問です。
「正しい発声法とは、どんな発声の仕方なのでしょうか?」
先程と同じ様に、あなたも答えを見る前に、自分なりの意見を考えてみて下さい。
(口をよく動かす?力強い太い声?お腹から出す?腹筋を使う?腹式呼吸?……)
……答え「正しい発声法=楽で自然に声を出すこと=腹式発声=声帯が滑らかに動くこと(声帯コントロール)」は、全てほぼ同じ意味だと理解しておきましょう。
こういう言い方をしても、「全くピンとこないな」と感じている方も多いかもしれません。
しかし、これはボイストレーニングの全てと言っても過言ではないほど大切です。
一般に腹式発声と言われている正しい発声法を身に付けるには、力を抜いて楽で自然に声を出すこと、シンプルで単純な発声を心掛けるということに尽きるのです。そしてそのためには、声帯コントロールで、いかに声帯を滑らかに動かせるかに掛かっているのです!

 

■腹式発声という言葉の本当の意味は?

一般に馴染みの言葉である、この「腹式発声」とは、あらゆる目的のボイストレーニングに用いられる基盤となる正しい発声法の考え方です。
皆さんの腹式発声のイメージは、歌手や声優などの声のプロがお腹から出す、響きのある声、という感じではないでしょうか。基本的にはこの考え方でほぼ正解です。
喉の力をぬくことで、自然に下腹部まで声の通り道が1本につながり、お腹から声を出す腹式発声の習慣が徐々に身に付いて行き、ボイストレーニング用語でいう、「喉が開く(あく)」と言われる状態になって行きます。
喉が開くようになると、全身が一本の筒のようにつながり、お腹から出る、よく響く声が自由に出せるようになるので、話し方も歌も格段にレベルアップすることができるのです!
またよく、張りのある声を出すには腹筋に力を入れなさい、などと言われたりしますが、正しく発声を行うためには、喉頭部だけでなく、下腹部にも力を入れてはいけません。全身のどこにも力を入れないで繰り出せる力点のない声ほど、よりクオリティの高い正しい腹式発声と言えるのです。
皆さんが本書で力を抜いて楽に出す発声を学ぶ道は、やがてはこの声のプロが共通使う、腹式発声の習得にもつながって行く、正しい発声の道なのです!

 

■全ての発声は力を入れるか抜くかの2通り

私はよくレッスンの中で、発声には大きく分けて2通りの道があり、それは「力を入れる発声法」と「力をぬく発声法」である、と説明しています
例えば皆さんは、「早口言葉を言う時や、カラオケで高い声を出すとき」などはどうしますか?
このように、特に少し難易度の高い発声を行いたい時などは、「どう声を出したら良いのだろう?」と悩んでしまうものです。いずれの場合でも、実現するには「力を入れて出すか」「力をぬいて出すか」のどちらかを選ぶことになりますが、アマチュアの方は必ずと言って良いほど、力を入れて出す方をしてしまいます。
唇や舌を意識して多く動かしたり、下顎や喉頭部、腹筋などに力を入れて無理に声を押し出そうとするものですが、どれも力点が違うだけで、どこかに負担を掛けることで帳尻を合わせて声を出していることは変わらないので、結局は「力を入れて出す発声」を選んでしまっていることになるのです。
確かに力を入れることによって簡単に、ある程度は滑舌良く話せたり、早口言葉が言えたり、カラオケで高い声で歌えたりもします。 しかし反対に、力を抜いてそれらを実現するのは非常に難しく、この「力を抜いて実現する発声」こそが、ボイストレーニングである、と言っても過言ではないのです。
本書をきっかけに多くの皆さんが、こうした発声に悩む様々な場面で、常に力を入れるのではなく、力を抜くことによって、調整するコツをつかんで頂くことができれば、今までよりも楽にハッキリ話せたり、響く声が出せたり、上手く歌えたりすることが出来る様にもなるのです。私は皆さんに、力を抜いて楽に出そうと心掛ける程、いくらでも良い声が自然に湧き出てくることを、本書を通して実感して頂きたいのです!

 

■舌の動きが悪いという言葉の本当の意味は?

よく滑舌が悪いことを「舌の動きが悪い」とも表現しますね。
一般にこの言葉の意味は、舌の先端部の動きが悪いから発音がしにくい、という様にとらえられがちですが、実際は逆で、舌根部(舌の根元)が硬いと声帯の動きをさまたげて鈍くする、というのがこの言葉の本当の意味なのです。
話すときでも歌う時でも、あなたが発声しにくい時、喉に力が入って硬くなる感じがしたことはありませんか?
ボイストレーニング用語では、これを「舌根(舌の付け根部分)が硬い」と表現します。
ところで、私のボイストレーニングレッスンでは、滑舌や吃音の矯正指導も行っています。
吃音というと、皆さんにはあまり聞き慣れない言葉かと思いますが、連発(同じ言葉を繰り返してしまう)、難発(初めの第一声が出にくい)、の他、全体的に発音明瞭度の低い状態です。実際に自分を吃音と自覚して悩んでいる方には、滑舌が悪い人の中でも日常生活に支障をきたすほど、重度の方が多いと言えるでしょう。
しかし、このような日常生活すら難しい状態の吃音の方でも、ボイストレーニングによって、力みのない楽な発声を身に付ければ、徐々に滑舌良く発音できるようになり、私のレッスンを受けている方の中でも、人並み以上に楽にハッキリ話せるまでに、改善するケースがあるほどです。
吃音や滑舌に悩む人の大半は、発声に力み癖があります。声帯の周辺の筋肉が硬いので、声帯の動きをさまたげて鈍くするのです。
発声時に最も力みが生じやすい部分は、この声帯の周辺の喉頭部なのです。

 

■滑舌に悩む人の方が、むしろ口を動かす?

話を戻しますが、巷では滑舌が悪いと「もっと口を動かしなさい」と言われます。
しかし、実際は全く反対で、滑舌や吃音に悩む人の方が、問題なく話せている人よりも余計に口を動かしているのです。
例えば、「い」の音が苦手な人の場合、「い」の口の形を、大げさに作ろうとするものです。
◯余計な動きなしに、シンプルな発声で(図版×作為的に唇を「イ〜」と横開きにして力んだ「い」○頭で「い」とイメージしたらいつのまにかに出ていた様な自然な「い」)
しかし、正しい「い」とは、全く意識的な動作を自覚しない中で、ごく自然に無作為に出てきた「い」ほど、正しい「い」の音といえるのです。つまり、「い」と言おうと思ったら、いつの間にか出ていたという様な、自然な発音こそが、正しい「い」なのです。
そして「い」に限らず、どの音でもその音固有の意識的な動作がなく、無作為に出てきた音ほど正しい音、ということになるのです。
舌根を中心とする声帯付近の筋肉がやわらかいと、声帯が滑らかに動くため、力みのない楽な発声をすることができます。
反対に滑舌の悪い人は、喉頭部が硬く、声帯の動きが悪いため、唇や舌を余計に動かして、声帯の動きの鈍さを補おうとするのです。
しかし、このように力を入れる発声で、例えその場では、はっきり発音することができたとしても、長い目で見れば、結局発声の力み癖が、さらなる力みを生む悪循環に陥ってしまいます。そもそも、滑舌良く話せている人は、舌や唇をどの位どう動かそうなどとは、考えもしないものです。
舌や唇は、声帯の動きに吊られて動かされているだけで、意識的に動そうとする部分ではないと考えましょう。楽にはっきり発音するためには、舌や唇から意識を外し、声帯の振動に集中して、喉頭部の脱力を心掛けるのが正解なのです。このように正しい発音とは、余計な動作を加えずに、声帯の振動のみで可能なシンプルな発声なのです。
声帯の動きが鈍い分、舌や唇を意識して動かして補う複雑な発声ではなく、力が抜けて声帯が滑らかに動くので、余計な動作をしなくてもシンプルな発声で、楽にハッキリ話すことが出来るのです。

 

■声帯コントロールは心技体の三位一体

私は日常、吃音を直すには、発声面(力の抜けた声の出し方の習得)、身体面(舌根や喉頭周辺の筋肉を柔らかく保つ)、メンタル面(メンタルトレーニングや自己啓発)の3方向からのアプローチが必要である、と説明しています。
そして、これは吃音矯正だけでなく、ボイストレーニング全般において同様なのです。
舌根や喉頭部が硬いと声帯の動きを鈍くなる、と話しましたが、皆さんの滑舌の悪さ、発声の硬さなどには、これらの3要素が密接に関わっています。
つまり、力みのない楽な発声が出来るようになるためには、発声面、身体面、メンタル面をトータル的に整える必要があり、声帯コントロールとは、心技体の三位一体のものである、と言うことができるのです!

 

■声帯コントロールで心掛けるポイントは3点

さて、それでは具体的な発声のコツはどうすれば良いのか、ということについて説明することにしましょう。これから本書の全てのレッスンにおいて、常に以下の3つを心掛ける様にして下さい。
1、いつまで出し続けていても疲れない発声を心掛けること
2、(全身ですが特に)喉の脱力を心掛けること
3、出来るだけ強く声帯を振動させる様に心掛けること
本書の発声のポイントはこの3つだけですから、ぜひ意識して練習してみて下さいね!
まずは1ですが、話している時でも、歌っている時でも、無理なくいつまででも声を出し続けていられるかどうかが、正しい発声ができていることの、大体の目安になるのです。
先ほどお話した通り、正しい発声法とは、楽で自然に声を出せることの意味だからです。
次に2と3についてです。これらは皆さんには、少し難しい印象を与えるかも知れませが、より声帯を意識して発声することで、1を心掛ければ大体出来ている正しい発声法を、さらにレベルアップさせて行こうということです。
皆さんが、意識してはっきり話そうとしたり、力強い声を出そうとすると、同時に力が入ってしまいませんか?
これが3の、より強く声帯を振動させることを心掛けた状態です。
反対に、力を抜くことを意識すると、今度は不明瞭で弱々しい声になりがちですよね。
ですから、この2つを両立しなければ「楽にハッキリ」の状態にはならないのです。
これはあくまで両立であって、中間ではありません、力を抜くことを優先すると不明瞭で弱い声になり、明瞭さを求めると力みが生じる、だから発声は難しいのです。
しかし、この2つの両立を心掛けて練習して行けば、徐々にコツを掴めるようになりますから、皆さんも諦めず妥協せず、本書のレッスンに取り組むようにして下さいね!

 

■発声のコツはブレーキを踏まずにアクセルを強く

これは車の運転にたとえると、ブレーキに触れずにアクセルだけを強く踏む、という感じの意味合いになります。発声の力んだ状態とは、アクセルを強く踏む程、ブレーキも作動してしまう様なイメージです。まず皆さんが発声において心掛けるべきなのは、アクセルを強く踏むこと(大きな声を出すこと)ではなく、アクセルを踏んでも、ブレーキは作動
しない状態を作ることだと言えるでしょう。
また別のたとえを使うと、筆で絵具を塗る時に、いかに水をたっぷり含ませながら濃い色で塗れるか、と言う様なイメージになるでしょうか。 水の含ませ方が少ないと、筆先がベタッとして自由に描きにくいですし、反対に絵具の量が少ないと水っぽくなり、色が薄まって出にくくなってしまいます。
正しい発声法とは「ブレーキに触れずにアクセルだけを強く踏む」や、「絵具に水を十分含ませて濃い色で塗る」という様なイメージを持つようすると良いでしょう。(イラスト)
これから皆さんは、この2つのたとえから「喉の力をできるだけぬくこと、声帯の振動をできるだけ強くすること」を両立する発声を心掛けながら、本書のトレーニングに取り組んでみて下さいね!
また、皆さんが2と3に取り組んでいて、色々と頭で考え過ぎると、無意識に力が入ってしまって、余計に上手く声が出なくなることがあります。
そんな時は、また1に戻って、いつまで声を出し続けても疲れない発声を意識する様にすれば、大体は楽で自然な正しい発声の状態に戻すことができるのです。
◯余計なブレーキが無ければ、楽にスピードが上がる(イラスト)
正しい発声法の基礎編が1、応用編が2,3と考えましょう。1が出来たら1を心掛けて、2,3に取り組み、上手くいかなくなったら、また1に戻ってやり直す、と言う感じで練習してみて下さい。
また、2と3を意識する時は、必ず2の力をぬく方を重視して行って下さい。
なぜならアマチュアの方のほとんどは、はっきり声を出す方にばかり気をとられがちなので、発声の力み癖を重点的に直す必要があるからです。はじめの内は、弱々しい不明瞭な声になっても構いませんから、喉の脱力のみに専念して、それがかなりできて余裕があれば、3の声帯の強い振動も心掛けて、はっきり力強く出してみることも、力を抜くことと合わせて心掛けて行く様にしましょう。

 

■声帯コントロールを実践してみよう

それでは実際に、声帯コントロールをしながら声を出してみることにしましょう。下記の図を見ながら行ってみて下さい。
◯声帯の振動を確認して声帯コントロール(図版喉仏に指を置きながら「ア〜」と発声している図、喉仏には「ビリビリ」という吹き出しを入れる)
喉仏に人差し指(または人差し指と中指の2本)を当て、「アー」とか「イー」とか声を出し、もっとも指に振動が伝わるポイントを探してみましょう。どうですか、指にビリビリとした声帯の振動が伝わるのが確認出来たことと思います。
あなたがこれから正しい発声法を身に付けるに当たって、この声帯の振動を確認することが、重要なキーポイントになるのです。
私はよく、この声帯コントロールを、自転車の補助輪や、逆上がりの練習台にたとえます。理由は、その場で発声しやすくするための補助の役割と、正しい発声法を定着させるための癖を付ける役割の、両方を兼ねているからです。
私のレッスンでは、話し方でも歌でも、全てのボイストレーニングにおいて、この声帯コントロールを覚えることからスタートします。喉に力を入れなくても声帯を振動させることが出来る、それどころか、むしろ反対に、喉の脱力を心掛けるほど、より強く声帯を振動させることが出来る。そのことを実際に体感することが、正しい発声法を身に付けるための大切な第一歩になるのです。それではレッスンスタートです!
□レッスン1「楽にハッキリ71音、声を響かせて71音」

 

◆楽にハッキリ71音(2分位)、声を響かせて71音(3分位)で計5分位

71音 <表組>
ア行a(ア)i(イ)u(ウ)e(エ)o(オ)
カ行ka(カ)ki(キ)ku(ク)ke(ケ)ko(コ)
ガ行ga(ガ)gi(ギ)gu(グ)ge(ゲ)go(ゴ)
サ行sa(サ)si(シ)su(ス)se(セ)so(ソ)
ザ行za(ザ)zi(ジ)zu(ズ)ze(ゼ)zo(ゾ)
タ行ta(タ)ti(チ)tu(ツ)te(テ)to(ト)
ダ行da(ダ)di(ヂ)du(ヅ)de(デ)do(ド)
ナ行na(ナ)ni(ニ)nu(ヌ)ne(ネ)no(ノ)
ハ行ha(ハ)hi(ヒ)hu(フ)he(ヘ)ho(ホ)
バ行ba(バ)bi(ビ)bu(ブ)be(ベ)bo(ボ)
パ行pa(パ)pi(ピ)pu(プ)pe(ペ)po(ポ)
マ行ma(マ)mi(ミ)mu(ム)me(メ)mo(モ)
ヤ行ya(ヤ)yu(ユ)yo(ヨ)
ラ行ra(ラ)ri(リ)ru(ル)re(レ)ro(ロ)
ワ行wa(ワ)wo(ヲ)n(ン)

 

●A.楽にハッキリ71音

喉仏に人差し指(または人差し指と中指の2本)を当て、声帯の振動を指で確認しながら、71音を発音します。声帯コントロールを覚えつつ、1音ずつ楽にハッキリ発音できることを目標に、1音2秒位かけてゆっくり丁寧に行いましょう。

 

●B.声を響かせて71音

次は、力が入らない様に注意しながら、Aよりさらに強く声帯を振動させてみて下さい。声帯に当てる吐く息のスピードを増すという感じです。コツは顎を引き気味にして、口の奥を「お」の母音、卵をほおばった様に縦に開きます。
この練習によって、皆さんが全音を「お」の形でも言えると実感することは、発音が口ではなく、声帯でなされていることを、確認する意味でも大切です。正しく出来ていれば、腹式発声の響く声になり、下腹部がぴくぴく動きます。1音2?3秒位(Aの倍)時間をかけて、1音ずつ響かせることが出来ているかを確認しながら行いましょう。
実は、喉仏に当てた指に伝わる振動が、強ければ強いほど、良い発声と言うことが出来るのです!もちろん、力んで大きな声を出せば声帯の振動は強まります。しかし、ここで言っているのは、張り上げずに比較的小さな音量でも、より強く声帯を振動させられるほど、正しい発声法である、という意味なのです。

 

●まとめ

いかがでしたか?これで第1章は終了です。
前半は、発声の仕組みと声帯コントロールの重要性を理解し、後半は、声帯コントロールの実践を行いましたね。このように皆さんが、滑舌良く響く声になるためには、口ではなく声帯を滑らかに動かせる様にならなければならないのです。
次章からのレッスンの土台作りになる重要な章ですから、あなたがこれから、本書のレッスンで発声が解らなくなってしまったら、また読み返してみる様にしましょう。
それでは、これらをしっかり理解して、皆さんの頭の中に入れて置いて下さいね!
(起)
発声の仕組みを理解して、声帯を滑らかに動かすことの重要性を知る。
呼吸法や口の動きなどは、むしろ副次的なものと考える。
(承)
滑舌が良いとは、ただハッキリ話せるのではなく、楽にハッキリ話せる意味。正しい発音ほど口や舌を余計に動かさずに無作為。
(転)
正しい発声のポイントは、いくら出し続けても疲れない発声、(全身だが特に)喉の脱力、より強く声帯を振動させることの3点。
(結)
声帯コントロールとは、喉仏に人差し指(または人差し指と中指の2本)を当て、上記の3点を指で確認しながら発声すること。

ビジネスパーソンのためのボイトレブック
第1章参照